エコーネットライト対応機器同士の通信の検証について説明するHEMS認証支援センターの一色正男センター長=神奈川県厚木市【拡大】
機器同士の連携に必要なのが、家庭内ネットワークにある家電や電力メーターを制御し運転状態や消費電力量を把握するための通信手順。これを「エコーネットライト」と呼ぶ。
中小企業は自社で開発したエコーネットライト対応機器をセンターに持ち込めば、無料で相互接続試験を行える。正常な動作を確認した結果は、「認証用書類」として提出する。
経産省は、HEMSに接続する可能性が高い重点8機器を選定した。その内容は、エアコンや照明機器からスマートメーター(次世代電力計)や電気自動車までと多彩だ。富士経済の予測によると、2011年の世界のスマートハウス関連市場は2兆7073億円。20年には4倍の約12兆円に成長する。
それだけに、多様な業種の企業を呼び込む産業として期待がかかる。しかし、経営体力に限界がある中小企業がHEMS関連機器の接続試験を自力で行うことは難しい。そこで、中小企業の起業意欲に応える認証支援を行う。
例えば複数の中小企業が強みを持ち寄り、集団でセンターを活用する。想定される事例が、室内の温度や湿度に応じてエアコンとアロマ加湿器を細かく制御し、少ないエネルギーで安らぐ空間を作る試み。エコーネット対応エアコンは大手から調達し、省エネ運転の命令を出すコントローラーやアダプター(接続機器)、加湿器、関連ソフトなどを中小企業が手がける。