韓国サムスン電子の日本法人の一つである日本サムスンの代表取締役に、ソニーの元業務執行役員、鶴田雅明氏(57)が今月1日付で就任していたことが23日、明らかになった。
サムスンは鶴田氏をトップに置くことで、日本市場での法人顧客の開拓につなげる狙いがあるとみられる。韓国や台湾、中国の電機メーカーはこの数年、世界の電機産業を牽引(けんいん)してきた日本メーカーから人材を獲得する例が相次いでおり、日本勢にとって頭の痛い問題になっている。
ソニー時代、鶴田氏は2004年に業務執行役員に就任。半導体事業本部の副本部長などを経て、11年6月から技術渉外を担当。昨年10月末で退社していた。
鶴田氏のケースは、人材流出の動きが幹部クラスにも浸透してきたことを印象づける。日本メーカーにとっては、独自技術やマーケティングのノウハウ、顧客流出につながりかねない。