リストラされた技術者が韓国や中国メーカーに転職し、それが日本を追い上げるための競争力向上に貢献した。
さらに言えば、この3社の凋落の本質的な要因は多様性の排除にあるように思えてならない。パナソニックでは中村邦夫相談役が社長、会長時代に意に沿わない役員を徹底排除した結果、周囲はイエスマンだらけになった。ソニーのCEOだったストリンガー氏も同様の傾向にあり、多くの技術者が会社を去った。
シャープは液晶ビジネス「一本足打法」に陥り、それ以外のヒット商品が出なくなった。かつては「目の付け所がシャープでしょ」というテレビCMが一世を風靡(ふうび)し、携帯端末「ザウルス」などがヒットした。デジカメ付き携帯電話を最初に世に送り出したのも同社である。社内から多様な人材を集める「緊急プロジェクトチーム」があり、そこで短期間に社内のさまざまな技術を組み合わせて商品開発をする組織だったが、そんなふうに開発に取り組む風土は、いつの間にか薄れてしまった。