長い軍事政権から民主化に歩み出したミャンマーは市場開放を徹底し外資を呼び込む戦略を進めている。テイン・セイン大統領は経団連の訪問団に「ミャンマーはインドや中国などの大市場を周囲に抱え、世界で最も投資すべき国だ」とアピールした。
ミャンマーには地理的に中印に近いというだけでなく、中東やアフリカ向け輸出基地にもなるという地の利がある。原油や天然ガス、銅などの天然資源が豊富な上、工場を建設した場合にも識字率が約9割と高く、若く安価な労働力が期待できること、さらに親日的で手つかずの約6000万人の市場があることが進出企業にとっての魅力だ。
日本企業はこれまで、ミャンマー向け直接投資額で中国や香港、タイ、韓国などアジア主要国の後塵(こうじん)を拝している。「NATO(ノーアクション、トークオンリー)」と揶揄(やゆ)されるほど決定に時間がかかることがあだとなり、「日本企業を上回る勢いで韓国企業がどんどん来ている」(現地の通訳)という。