「乗り遅れるな」
こうした中でのミャンマー政府からの熱烈なラブコールに、日本企業の間には「バスに乗り遅れるな」とのムードが強まっている。欧米の対ミャンマー経済制裁解除に続き日本政府による円借款再開や、中国との対立激化などが日本企業をミャンマー投資へと駆り立てている。
首都ネピドーには丸紅、三菱商事など大手7社が拠点を据え、IT、ゼネコン、金融業界も相次ぎ進出。ヤンゴン市北部近郊のミンガラドン工業団地では婦人服製造のハニーズ(福島県いわき市)などが操業し、王子ホールディングスは段ボール工場の建設準備を進めている。スズキは5月から小型トラックの生産を始める計画だ。
ただ、経済インフラ整備は緒についたばかり。生産に不可欠な電力供給は質、量とも不安定。原料や製品を輸送するための道路や鉄道や上下水道、証券取引所の整備が求められている。