急速な円安の副作用がじわりと出てきた。レギュラーガソリンの全国平均小売価格は11週連続で上昇。政府が輸入した小麦を民間企業に売る際の価格も4月から値上がりする公算が大きい。円高の是正は輸出企業の業績改善につながるが、過度な円安は家計や企業の負担増になる恐れもある。
経済産業省資源エネルギー庁が20日発表した18日時点のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は、1リットル当たり前週(12日)比1円40銭高の155円20銭で、約10カ月ぶりの高値。灯油も12週連続で値上がりし、18リットル当たりの店頭価格は前週比5円高の1826円となった。
原油相場は世界経済の回復期待から高止まりし、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の影響による円安が輸入価格を押し上げている。委託を受け調査しているみずほ総合研究所は「円安基調が続いており、今後もガソリン価格は上昇圧力が強い」との見方を示した。