1円入札が相次いだ英インマルサットの衛星携帯電話「アイサットフォン・プロ」【拡大】
システム設計などを初年度にタダ同然で契約し、その後の機器やソフト開発で元を取る“ビジネスモデル”が業界で定着していることが露呈した。
公取委は業界にその都度、改善を指導してきたが、当時の山本卓真富士通社長が「過当競争が悪いし、制度に問題がある」と言い放ったように、同様の超安値入札は繰り返されてきた。
1円入札は調達コスト低減に寄与する面もあるが、コスト割れの入札案件で後に問題になるケースが多発。官公庁の技術審査能力の低さが露呈し、政府調達制度も再三見直されてきた。
07年7月に施行された現行の「情報システムにかかわる政府調達の基本方針」では、調達予定価格の6割を下回った場合には契約が確実に履行できるかを調査する「低入札価格調査制度」を導入した。