ドーナツ形のスプリング8施設の内部=兵庫県佐用町【拡大】
13年度のスプリング8の運転時間は4200時間と16%縮小。ユーザーの利用時間は3300時間と18%も削られる。SACLAの運転時間も6500時間と7%カットされるが、ユーザーの利用時間は3300時間と10%増やす。
理研播磨研究所の生越満研究推進部企画課長は「(電気料金の)値上げ分の吸収にはもっと運転時間を短くしなければならないが、消耗品の交換を減らすなどして対応する」と話している。この状態が続けば、日本の科学技術の発展にも影響が出ることが懸念されている。
【用語解説】スプリング8とSACLA
国の方針に基づいて運営されている国内外に開かれた共同利用施設。スプリング8で発生する世界最高性能の放射光と、SACLAで利用できるエックス線自由電子レーザーは、ともに物質の構造や働きを原子レベルで観察できる。研究成果は創薬や新素材の開発だけでなく、指紋や毛髪のごみを解析する犯罪捜査の活用にも期待されている。