インタビューに答えるルネサスエレクトロニクスの鶴丸哲哉社長=21日、東京都千代田区【拡大】
経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクスの鶴丸哲哉社長は21日、フジサンケイビジネスアイなどのインタビューに応じ、「迅速な判断と行動ができるよう組織を再構築し、早期の事業回復を果たす」と再生への決意を明かした。
鶴丸社長は、発足以来最終赤字が続く経営責任を取る形で退任した赤尾泰前社長に替わり2月22日に就任。ルネサスは官民ファンドの産業革新機構などから最大2000億円の出資を決定しており、「(公的な資金注入に)一刻も早く再生を果たすことが大きな責任だ」と述べた。
業績不振の子会社「ルネサスモバイル」の携帯電話など向けシステムLSI(大規模集積回路)事業については、「ルネサスの中に置かない方向性を考える」と、海外事業者との売却交渉を続ける方針を改めて示した。
一方、富士通などと協業を模索するシステムLSI事業については、車載や産業機器向け事業は、自社で継続することを明かした。鶴丸社長はルネサス再建への具体策や時期について明言は避けたものの、実施中の生産拠点の半減や人員削減などの構造改革について「目標に向かってやる」と言及。利益確保に向け、工場稼働率の向上や製品ラインアップの拡充などを挙げ、営業体制の最適化や販売店の整理などに触れ「改革を進めるため議論している」とした。