シャープ本社=大阪市阿倍野区【拡大】
スマホ業界の両雄は、市場シェアをめぐる販売競争にとどまらず、特許をめぐって販売差し止めを求める訴訟をするなど、激しく火花を散らしてきた。
アップルとサムスンという2大勢力だが、シャープはアップルから約1千億円の投資を受け亀山第1工場に製造ラインを設置し、「iPhone」専用工場として稼働させてきた。シャープはこれまでアップル陣営に属してきたようなものだった。
アップル頼りを脱却、サムスンにも接近
稼働率が低迷する第2工場とは対照的に、フル生産を続けてきた第1工場は、シャープの液晶事業を継続していくための頼みの綱だった。
だが、潮目が変わり始めたのは昨年暮れ。「iPhone5」の世界的な需要減に伴い、シャープの液晶も受注が減少した。最低7割の稼働率を維持しないと採算が取れないといわれるなか、第1工場は3割、第2工場は5割程度にとどまる(関係者)という。