シャープ本社=大阪市阿倍野区【拡大】
そして、この減少分を穴埋めするため、シャープが苦渋の決断で救いの手を求めたのがサムスンだ。鴻海やインテルとの交渉が依然進まないのとは対照的に、サムスンとの資本提携は比較的スムーズに決まった。
亀山工場の稼働率を上げたいシャープと、新たな設備投資をせずに安定的に液晶の供給を受けたいサムスン。両社のニーズが合致したのだ。
鴻海の逆鱗に触れる
「さらなる関係発展について協議していく」
シャープがサムスンから出資を受けることを正式発表した6日夜、鴻海は声明を発表した。昨年夏のシャープ株の急落をきっかけに両社の交渉は停滞。長期間目立った動きはなかったが、約半年ぶりに鴻海が沈黙を破った。
そもそも「打倒サムスン」を掲げ、シャープに資本業務提携を持ちかけた鴻海。今回の声明には「液晶技術の供与も受けず、ただではシャープから引き上げない」(関係者)というスタンスが垣間見える。鴻海は、サムスンと距離を縮めようとするシャープを牽制したのだ。