電気料金の値上げなどについて説明する関西電力の八木誠社長【拡大】
ある中小金属製品メーカーの場合、年間数千万円ものコスト増になるといい、同社は「これまでに節電対策をやり尽くした。どうすればいいのか、関電の担当者に教えてもらいたい」と頭を抱えている。
このため、値上げをする関電を離れ、他の電力会社から電気を購入する動きも出始めている。
中部電力によると、電気料金値上げを予定する関電管内の企業などから電力供給打診が、約50件(3月26日現在)に上った。中国電力にも打診している企業があるといい、電気料金の値上げと電力不足の不安から逃れたい企業に“関西離れ”の動きが具体化し始めている。
電力の懸念は経済を崩壊させる
関電は稼働中の大飯3、4号機に加え、高浜3、4号機の7月以降の再稼働を前提に、電気料金の値上げを申請している。しかし、高浜2基については再稼働の見通しが事実上立っておらず、再稼働が見送られた場合、「平成25年度の黒字を目指したい」(八木誠社長)とする関電にとって大きな痛手となる。
電気料金の再値上げも考えられ、関西経済への打撃がさらに広がることになりそうだ。
安倍政権は日本経済再生のための三本の矢のひとつに成長戦略を掲げた。ただ、産業界を支える電力が不安定なままでは、成長どころか後退する恐れすらある。アベノミクスの崩壊は関西から始まるのかもしれない。(内海俊彦)