【ITビジネス最前線】日本の若い起業家を阻む壁 (2/4ページ)

2013.4.1 05:00

 ◆「既卒」を真の財産に

 では、有望な学生に対してどのようにリスクを負うよう勧めればいいのか。実際には、私がテクノロジー界で関わりのある、最も頭の切れる人の中には、リスク嫌いの人がいる。スティーブ・ジョブズのように社交的でカリスマと呼ばれる経営者もいる一方で、アップルの共同設立者であるスティーブ・ウォズニアックは、一人で初期のテクノロジーを完成させながらも、アップルの設計に集中するために居心地のよいヒューレット・パッカードでの職を辞することには乗り気でなかったといわれる。

 そこで、リスクを選択するよう学生の背中を押すためには、日本政府の関与が必要なのではないか。融資の提供や助成金とはまったく異なる種類の関与が、日本の若者には必要だ。例えば、政府機関が、インキュベーターと大企業と連携してファンドを立ち上げ、企業に採用はされたものの自ら起業してみたいという新卒生を支援してはどうだろう。起業を希望する者は、卒後1年の期間を与えられて、(政府や企業ではなく)インキュベーターによって承認された事業計画に基づいて創業し、孵化(ふか)期を経て羽ばたくまでの間、メンターからの指導を受ける。

 ファンドは、その年、企業が彼らに支払う給与を払い戻すためと、インキュベーション空間やメンターの費用を賄うために使われる。もし、スタートアップが成功して、1年以内にベンチャー投資家から資金調達ができれば、創業者は事業に完全に集中し、大企業との雇用契約を終了することができる。大企業は、代わりにベンチャー企業の持ち分または株式購入権を受け取る。また、仮に事業が失敗に終わっても、若者は次年度の新卒者とともに大企業で仕事を始められる。彼らは、1年前よりも経験を積んで、ビジネスに関する知識を蓄えて企業でのスタートラインに立つことになる。大企業にとって、こうした「既卒」の若者は真の財産になるはずだ。

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