【ITビジネス最前線】日本の若い起業家を阻む壁 (3/4ページ)

2013.4.1 05:00

 ◆承認プロセスの違い

 もうひとつ、日本で事業経営をするにあたって非常に難しいと感じるのが、アメリカとは根本的に異なる企業内承認プロセスである。アメリカでは、同業のコンファレンスなどがあれば、たとえ19歳であっても会場のロビーで大企業のCTO(最高技術責任者)に近づいて、自分の開発した製品の実演をしてみせることが可能だ。もし、そのテクノロジーがおもしろいものならば、CTOが自分でサービスを試してみるということもよくある。その際、CTOにとっての判断基準は、まず何よりも、この技術は私の役に立つか、価格は割に合うか、創業者は頭のさえた人間か、この会社は信用できるのか、そしてもしかしたら最後に、会社に誰が投資しているかも頭の隅にあるかもしれない。

 ところが、日本ではそうはいかない。CTOはこうした決断を自分ひとりでできることはほとんどない。新しい優れたサービスについてニュースやインターネット上の記事で読んではいても、リスクを負って新サービスに手を出すことについては非常に慎重だ。製品購入の判断を誤れば、それがキャリアに響いてくる。そこで、新製品やサービスの評価基準はこのような順番になる。その会社に投資しているのは誰か、会社は信用できるか、創業者は頭が良いのか、割に合う価格設定か、そして最後に、この技術が本当に有益なのかどうか。こうした判断基準の違い、そして会議でのコンセンサス方式による承認というプロセスが、すでに基礎の固まった企業よりもスタートアップを不利な立場に置く。

 会社の部下と話していると、彼は、契約が一度締結されると、日本企業はそれを途中で解除することを嫌うのだと説明した。そのために、たとえばサービスの効果や実績が振るわなかったとしても、契約期間満了まではその関係を継続するのが通常だ。

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