4Sと軽水炉の構造イメージ【拡大】
30年間の連続運転。燃料交換不要
世界が今、注目する次世代原子炉がある。東芝が開発を進めている「4S」と呼ばれる超小型高速炉だ。
発電出力100万キロワット級が標準となっている既存の原発に比べ、4Sは1万~5万キロワットと低いが、燃料交換なしで10~30年間の連続運転が可能。燃料交換が不要になれば、原子炉を収納する容器の密閉性は向上するため、放射性物質の封じ込めに効果が期待できる。
福島の事故では冷却水の枯渇で原子炉の燃料が冷やせず、建屋の一部が吹き飛んだ。4Sは「低出力なので炉心温度も低く、非常時の冷却や安全制御の確実性が高い」と東芝電力システム社の尾崎章・原子力事業部技監は強調する。
関西電力が採用している加圧水型軽水炉など既存炉は、核燃料全体が連鎖反応して熱を出し続ける状態を作り、そのコントロールは反応を抑える制御棒の出し入れで行う。
これに対し、4Sで燃料の反応をコントロールするのは「反射体」という鋼鉄の筒。その中心を燃料が通っており、筒に覆われた部分の燃料だけが燃え、覆われていない部分は反応しない。反射体を外せば、燃料は反応しなくなるため、非常時の冷却を確実に行うことができる。