剛腕で知られる松下電器創業者の松下幸之助氏(左)。パナソニック再生へ改革を急ぐ津賀一宏社長(右)の采配は迫れるか【拡大】
人選に臆測も
宮部氏は技術担当役員として本社の研究・開発体制を刷新し、研究開発や生産技術部門の約4割を、各事業部門の支援などに振り向けるなどの津賀社長が進める改革に貢献した。
加えて宮部氏は入社間もないころ、津賀社長と同じ研究所で机を並べた“旧知の間柄”でもある。一方、吉田氏は津賀社長との不仲もささやかれる。
こうした津賀社長の人事について、同社幹部は「中村・大坪体制の旧弊を打開するために、改革を進める意識を持った人物が選ばれた」と説明する。
一方で「津賀社長は自分と近い人物を引き上げている」との声も上がるなど、さまざまな臆測も飛び交う。
古いしがらみを脱するには、まずリーダーの刷新が不可欠だ。創業者のような“豪腕”ぶりを津賀社長が今後も発揮できるかが、改革の成否を分ける。