若い社員が生き生きと仕事に取り組むアシスト・ジャパンの事務所【拡大】
そして、最終利益の半分を半期ごとに社員全員に分配する。平成25年3月期は社員10人に計400万円程度を支給した。効果はてきめんで、節約意識が高まったほか、会議で「あの費目は何に支出したのか」などと経費の使い道や金額に質問が出るなど、利益を生み出すことに社員が敏感になったという。
ただ、「ゆくゆくは財務基盤を安定させるため内部留保が必要になるので、分配割合を3分の1に下げる予定」(井上社長)という。
リーマンでの会社刷新が契機
井上社長がこうした利益の分配を始めたのは、自ら設立したアシスト・ジャパンが経営危機に直面したのがきっかけだ。17年に創業し、「もうけることだけを念頭に経営していた」(井上社長)が、20年秋のリーマン・ショックで経営環境は一変。社内はバラバラになり、当時契約していた経営コンサルタントから「思いをともにする人だけを採用せよ」と助言された。