資本業務提携した韓国サムスン電子など液晶パネルの新たな供給先の拡大や、東南アジアで白物家電の生産販売の強化なども喫緊の課題。高橋氏は海外事業に精通しており、適任と判断した。
ただ、海外の大手企業とパイプを持ち、米クアルコムやサムスンからの出資交渉を主導した片山会長が退任することで、他社との資本業務提携交渉が難航する恐れもある。12年末時点でシャープは財務の健全性を示す自己資本比率は9.6%まで低下。早急に資本増強を実施する必要があるが、出資引き受け先確保の課題は残されたままだ。
資本増強のため公募増資も検討しているが、実現のためには株価の回復が不可欠。新体制では、業績改善の道筋を市場に明確に示す必要がある。
【プロフィル】高橋興三(たかはし・こうぞう) 静岡大院修了。1980年シャープ入社、2008年、執行役員健康・環境システム事業本部長。2012年4月から副社長。大阪府出身。