社長交代を発表し、握手するシャープの奥田隆司社長(左)と新社長となる高橋興三副社長=14日、東京都千代田区【拡大】
2015年度までの中期経営計画には、スマートフォン(高機能携帯電話)向け中小型液晶の外部販売拡大などを盛り込んだ。自社工場で生産した液晶パネルを搭載した自社製のテレビやスマホを販売する「自前主義」からの脱却を加速。東南アジアで家電販売を強化し、出遅れた海外市場での巻き返しも図る。
だが、納入先の軸として頼みにする米アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」は一時の勢いを失っており、中小型液晶で今後どれだけ稼げるかは不透明さを抱える。
また、海外でのブランド力はライバルメーカーに大きく劣る。米調査会社のNPDディスプレイサーチによると、12年の液晶テレビの国内シェア(金額ベース)は36.7%で首位だが、世界シェアは5.8%で4位にすぎず、首位の韓国サムスン電子(26.4%)に遠く及ばない。
主力行の関与強まる
中期経営計画について、BNPパリバ証券の中空麻奈チーフクレジットアナリストは「資金繰りにめどは付いたが、どうやって稼ぐのか具体的な見通しを示すべきだ」と注文をつける。