コインベースは先日、ユニオンスクエア・ベンチャーズという著名な投資ファンドから500万ドル(約5億1600万円)を調達した。ユニオンスクエア・ベンチャーズは過去にツイッターやタンブラー、ソーシャルゲームのジンガ、(不特定多数の人がインターネット経由で財源を提供する)クラウドファンディングのキックスターターなど名だたる新興企業に投資している。コインベースには、レディットをはじめ300社が登録してサイト上でのビットコイン決済を導入している。
また、ビットインスタントは、アメリカ全土の70万カ所で一般の人が簡単にビットコインを購入できるようにした。ウォルマートやセブン-イレブン、そしてドラッグストアチェーンのCVSなど身近な場所で、誰でもビットコインを購入してeコマース(電子商取引所)を利用できる。
◆持ち主に全価値
ビットコインの最大の利用価値は、仮想通貨でありながら、コインの持ち主のみがその全価値を持ち歩きできることにある。実際に手にしている人がその全価値を持つという意味で、金の延べ棒を取引するのと同じようなことだ。
これがeコマースで重要な意味を持つ。現行の取引における詐欺の最大の問題は、決済が完了し、商品の引き渡しが行われた後でも、販売業者が料金を実際に手にできないところにあるからだ。詐欺師が盗んだクレジットカードでテレビを購入したとすると、販売業者は詐欺師にテレビを届けたのに、クレジットカード会社からお金が送られてこないという事態が起こりうる。