帝人の売上高と営業利益の目標【拡大】
アラミド繊維は高機能繊維の代表格で、米化学大手デュポンとシェア争いを繰り広げてきた帝人にとって看板ともいえる素材の一つ。同社は採算改善のため、オランダの生産拠点で10%の人員削減に向けた希望退職者の募集を開始。中国・上海の用途開発拠点を活用して新興国でも拡販を図り、欧米に偏っていた収益源を分散する方針だ。
川下産業との連携
みずほ証券の佐藤和佳子シニアアナリストは「素材事業は、少しでも景気に左右されにくい収益構造の構築が重要。そのためには川下産業との連携を加速させる必要がある」と強調する。
素材メーカーは技術力や開発力はあるものの、消費者との距離が遠く、ニーズをつかみにくい。消費者に近い川下産業と組んでニーズに合った素材を開発し、付加価値の高い製品が確実に売れる仕組みを作れば、利益率の向上や安定的な収益源の確保につながるからだ。