ロシア産の天然ガスを液化(LNG)し、輸出する事業をめぐり、日本の大手商社などの商機が広がっている。米国産の新型天然ガス「シェールガス」に押されて天然ガスの売り先を拡大したいロシアと、原発の再稼働が進まず代替火力発電の燃料としてLNGの調達先を広げたい日本の思惑が一致するからだ。ロシアの大手エネルギー会社幹部は「日本詣で」を繰り返すが、日本企業からみれば慎重な戦略構築が欠かせない。
露企業大物が来日
「あれだけの大物が来たのだから、何かビジネスの機会がつくれないか」
2月下旬、ロシアの国営石油企業「ロスネフチ」のセチン社長が来日し、日本の商社関係者らの目の色が変わった。
来日したのはロスネフチだけではない。国営天然ガス企業「ガスプロム」や、独立系天然ガス企業「ノバテク」の大手2社の首脳も3月に日本を訪れ、政府や商社などの関係者を訪ねた。目的は日本企業に対し、LNG事業への参画を促すためだった。
中でも、丸紅は米エクソン・モービルを抜き世界最大手に成長したロスネフチに熱い視線を向ける。同社は4月18日、ロスネフチと極東ロシアで検討中のLNG基地建設などで戦略提携すると発表した。国分文也社長が前日にモスクワに飛び、サハリン対岸にあるデカストリのLNG事業構想への参画を決めた。