中部電力が対日輸出事業を計画している米LNG基地。奥に見えるのが貯蔵タンク=米テキサス州フリーポート(中部電力提供)【拡大】
大ガスは、時流に乗って一気に業績を拡大しようと画策。一方、関西電力が社運を賭けて原子力発電の強化に乗り出す中、中部電は、LNGを使うクリーンな火力発電を増やそうと考えたことから、大ガスと中部電の思惑は見事に一致し、インドネシア産LNGの共同調達などに踏み切った。
両社の“蜜月”は最近も強化されている。大ガスの滋賀県多賀町にあるガス基地と、中部電の三重県四日市市にある火力発電所を結ぶ全長約60キロの天然ガスパイプラインが建設中。来年1月に完成する予定で、ガスのバックアップ態勢を整える。
大ガス幹部は「(中部電とは)長いお付き合いがあり、今回も一緒にやろうということになった」と説明する。
共通の“敵”
両社が連携強化の先に見据えるのは、「関西電力」だ。
大ガスの国内外の発電設備は320万キロワットにも達し、電力会社を除くと国内最大級の発電事業者だ。平成32(2020)年をめどに発電能力の倍増も計画する。