中部電力が対日輸出事業を計画している米LNG基地。奥に見えるのが貯蔵タンク=米テキサス州フリーポート(中部電力提供)【拡大】
業界再編の台風の目
政府が28年をメドに電力小売りを全面自由化する方針を打ち出す中、両社は「関電包囲網」の構築を急ぐ。
大ガスと中部電は、電力全面自由化を見据えて、東京電力とも協力関係を築く。
中部電は、東電と共同で茨城県内に石炭火力発電所を建設する。大ガスも新たな火力発電所建設をめぐって東電と協議を始めた。
原発再稼働のメドが立たない中、両社のガス事業への“追い風”はしばらくやみそうにない。
「日本でもエネルギーメジャーをつくろうという構想から、大ガスと中部電の『統合』はどうか、という冗談もあった」
経済産業省の幹部が冗談混じりにこう漏らすほど、両社の“蜜月”は知られる。
電力販売の全面自由化後、「エネルギー業界再編の台風の目」(関係者)になる可能性も秘めている。