アップル租税回避はひどすぎる? “抜け穴”に悩む欧米諸国 (2/4ページ)

2013.6.2 08:00

 共和党のマケイン上院議員は「ひどすぎる」と非難したが、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は公聴会で「私たちは法律に従っている。デジタル時代に法律が追いついていないのだ」と言ってのけた。

 税金として国庫に入り教育や医療に使われてしかるべき金が、国と国の間に落ちてしまった。これでは、いくらよい製品をつくっても、米国民にはデメリットになる。欧米諸国は、抜け穴をふさごうと躍起になりはじめている。

 もちろん、見方を変えれば、アップルは安価で高性能な製品で社会に還元したともいえる。もし米国に利益を戻して納税する律義な会社だったら、アップルはアップルでありえただろうか。租税が得られた米国の国庫は潤ったとしても、世界全体の経済にはダメージだったかもしれない。

 多国籍国家から無国籍国家へ

 租税回避そのものも、今にはじまったことではない。「リベリア船籍の日本船」は昔からあり、近年では、タックス・ヘイブン(租税回避地)で知られるカリブ海の英領ケイマン諸島などにペーパーカンパニーを置く企業は多い。

多国籍から無国籍企業と化しつつあるアップル

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