全原発が廃炉になった場合の電力会社への影響【拡大】
経産省の試算によると、国内にある原発50基を現時点ですべて廃炉にした場合、原発を保有していない沖縄電力以外の電力9社と日本原電で、合計約4兆5000億円の特別損失が発生。北海道、東北、東京、北陸、九州、日本原電の6社は債務超過に陥る。
電力業界から「いきなり全額を損失計上しなければならないのでは廃炉は不可能だ」(電力業界関係者)との指摘もあり、政府は電力会社が原発を廃炉にする際に生じる損失金の処理に関する会計規則の見直しなどに乗り出す方針だ。月内に有識者を交えた検討会合を設け、具体策の議論を開始する。
会合では原発の廃炉を決めた場合に発生する損失を一度に処理せずに複数年に分割して会計処理することなどが検討される見通し。廃炉に備えた費用は現在も電気料金に含まれているとはいえ、廃炉を前倒しにした場合も利用者負担とすることに反発が出る可能性がある。
電力会社に批判的な世論を刺激しかねず、実現するかは予断を許さない。だが、対策を講じなければ、廃炉ドミノは電力会社の“破綻ドミノ”に発展しかねない。(橋本亮)