日本車が9割近くを占めるタイの自動車市場。昨年に進出50周年を迎えたトヨタが牽引(けんいん)役となり、乗用車のホンダ、1トン・ピックアップトラックのいすゞとすみ分けがなされ、ホンダといすゞが2位の座につく展開が続いてきたが、大洪水からの回復以降、この構図に大きな変化が生じている。
タイ政府が内需を刺激しようと導入した「自動車物品税の還付措置」。ガソリン車で排気量1300cc未満のエコカーを対象に最高10万バーツ(約31万円)を事実上免税する施策で、恩恵を受けようと多くのタイ人ユーザーが販売店に足を運んだ。
他のセールとの相乗効果もあって、昨年1年間の新車販売台数は市場全体で約144万台にのぼり、過去最高を更新した。納車まで半年以上先という人気車種も珍しくなかった。
ホンダはこの好機を逃すまいと、発売済のエコカー「ブリオ」に加えて、タイ人に人気の高いセダン型エコカー「ブリオ・アメイズ」も発売。経済的に余裕のあるユーザー向けに排気量1500ccの新型「シティ」を投入するなど、用意周到なラインアップで販売戦線に臨んだ。結果は前年比108%増の17万台余りで過去最高。乗用車部門ではトヨタを抜きトップに躍り出た。