困難な目標達成
これにトヨタはあわてた。日本から豊田章男社長を招いての50周年記念式典を挙行したのもつかの間、首位を奪還しようと「急遽(きゅうきょ)、投入が決まったのが、トヨタとしては主力とはいえない小型車のヴィオスだった」と先の日系メーカー幹部。
だが、思いとは裏腹にその後も乗用車部門の不調は続く。ついには月間の販売台数シェアも前年比10ポイント以上の落ち込みを見せるようになり、タイ市場で完全にホンダの後塵(こうじん)を拝すようになってしまった。
こうした情勢について、日本の自動車メーカーを積極的に誘致してきたタイ工業連盟自動車部会のスタッフは「乗用車部門でのトヨタの不調は、エコカー対策や小型車対策が首尾よくいかなかったことが原因」と分析。2010年3月の日産マーチを筆頭に、ホンダ、三菱、スズキと日系各社がエコカーなどの小型車対策を続ける中、「トヨタだけが、経営資源をハイブリッド車などに集中させた結果」と解説する。