汚染土壌などの浄化用に使われる鉄粉「エコメル」【拡大】
鉄粉といえば、携帯の使い捨てカイロの中身として一般にもなじみが深い。実は鉄粉の用途として最も多いのは産業用部品の材料だが、近年、注目が高まっているのが、土壌や地下水の汚染を浄化させる用途だ。神戸製鋼所は「エコメル」という商標で、再開発用の土地などにおける環境浄化を図っており、さらなる販売拡大を狙っている。
鉄粉は一般に加工がしやすいため、焼き固めて複雑な形状の自動車などの部品として用いられるなど、産業用の用途が大半だ。
神鋼では、電炉などで溶かした鋼を、高圧水ジェットで微細に砕き、それを乾燥させた後に、さらに還元させるなどして作られる。同社の鉄粉は兵庫県の高砂製作所で、年約6万トンが作られている。
同社は、産業用用途に加えて、2002年に「エコメル」の販売を開始。工場跡地などの土地再開発を中心に、土壌などの汚染対策を実施してきた。