汚染土壌などの浄化用に使われる鉄粉「エコメル」【拡大】
重金属の吸着では、重金属に汚染された土を盛り土する際に、エコメルを使った吸着層を下に敷き詰めることで、下にたまる重金属汚染水を吸着層が浄化。従来は汚染の可能性がある土を鉄粉と均一に混ぜ合わせて浄化を図っていたが、吸着層を敷き詰める方法にすることで、「コストで約2割、工期については約6割」(同社)も削減することが可能という。
これらの土木分野に加え、さらに可能性は広がっている。水処理についても10年からプラントで試験を行っているほか、カドミウム汚染米の対策でも試験段階に入っており、農業分野での活用も期待されている。その他の自然環境保全についても、何らかの形で成果を得られないか、実験が進められている。同社では、「社会ニーズを先取りした開発で、より社会貢献ができれば」と話す。
安定した品質で、大量に供給することが可能であることなどから、大規模工事にも有効だという。同社は「安心できる土地再利用に貢献したい」と話す。今年2月には国交省の新技術情報提供システムにエコメルが登録された。国交省の“お墨付き”を受けた格好で、神鋼は採用拡大に向けた技術提案活動をさらに積極的に推進していく方針だ。