私費投じ支援
支援も惜しまなかった。最初にトラジャ地方の開拓に従事した大木久氏(元キーコーヒー会長)が1998年、農園を分断して流れる川にかける橋の費用を私費を投じて建設するなど、地域の生活を支えてきた。今年3月、大木氏が亡くなったことを現地の関係者に伝えると、「涙を流して悲しむ人もいた」(トアルコ・ジャヤの中野正崇副社長)という。
キーコーヒー全体のコーヒー取扱量のうち、トアルコ トラジャは1%に満たないわずかな量だ。だが、この秘境におけるコーヒー生産で、品質を高める取り組みや地域に貢献する姿勢が同社のブランド力の根幹となっている。
山間の集買所に四輪駆動車で買い付けに行くのは、「正直、コスト度外視だ」と渡辺取締役。「しかし、どうしてもこの活動を続ける必要がある」。今後もそれは変わらない。(池誠二郎)