調査会社MM総研(東京都港区)が2日発表した2012年度の電子書籍端末の出荷台数は、昨年11月に国内販売を開始した米アマゾン・ドット・コムの「キンドル」が18万台で市場シェアの38.3%を占め首位、昨年7月投入の楽天「コボ」が15.5万台(シェア33.0%)で2位だった。アマゾンと楽天の“宣伝合戦”の効果もあり、全体の出荷台数は前年比42.4%増の47万台に伸びた。
出荷台数はアマゾン、楽天に続き、ソニーの「リーダー」が12万台(同25.5%)で3位。NECなどその他は計1.5万台(同3.2%)だった。
楽天はアマゾンに約4カ月先行して端末を販売したが、発売当初のソフトの不具合などの影響で、年間出荷台数はアマゾンを下回った。
巻き返しのため、楽天は書籍の電子化費用の一部を出版社に支払うなどしてコンテンツ(作品)数を確保。今夏には「ベストセラー上位1000冊のうち8割はコボ向けに電子化される」(三木谷浩史会長兼社長)といい、コンテンツの拡充を端末の販売増に結び付ける考えだ。