ビール大手3社の経営状況【拡大】
調達した資金は、過去のM&Aを目的とした借入金約680億円の返済に使うほか、約2000億円強を国内外での戦略投資に充て、飲料・食品分野の海外展開を加速させる。
サントリー食品は、缶コーヒー「ボス」や炭酸飲料「ペプシ」、茶系飲料「伊右衛門」などのブランドを抱える清涼飲料メーカー。酒類で稼ぐキリンHDやアサヒグループHDと異なり、サントリーHDの中核は清涼飲料・食品事業が中心のサントリー食品が担い、12年12月期の連結売上高のうち約50%、営業利益の約70%を稼ぎ出す。
上場の背景にあるのは、国内市場先細りに対する強い危機感だ。キリンやアサヒも近年は海外メーカーのM&Aを加速。サントリーも08年にはニュージーランドのフルコア、09年に仏飲料大手オランジーナ・シュウェップスと、清涼飲料が主力のメーカーを立て続けに買収している。サントリーHD全体の海外売上高比率は21%まで高まり、ライバルのキリン(約26%)に迫る規模だ。