ファストフード高級化のワケ マック、吉野家…値下げ脱却の思惑 (2/3ページ)

2013.7.13 20:00

日本マクドナルドのクォーターパウンダーの新商品「ハバネロトマト」(左)と「BLT」=東京都渋谷区

日本マクドナルドのクォーターパウンダーの新商品「ハバネロトマト」(左)と「BLT」=東京都渋谷区【拡大】

  • 日本マクドナルドの高級ハンバーガー「クォーターパウンダージュエリー」シリーズ

 外食業界関係者は、超高級バーガーの投入について、「数量限定にすることで、『客単価のさらなる改善を狙った』とのイメージを避けようとした」と分析する。

 原田泳幸会長兼社長は、クオーターパウンダージュエリーの発表会で「客単価アップの戦略ではない」とクギを刺したが、消費者心理に強烈なイメージを残したという点では、1000円バーガーは成功したようだ。

 値下げで赤字に

 高価格商品の充実は牛丼業界でも同じだ。吉野家は新商品「牛カルビ丼」(並盛480円)を4日から全国で発売した。吉野家としては初めて、量を減らして価格を下げる「小盛」(380円)も本格展開した。

 同社は4月、「牛丼並盛」を380円から280円に100円値下げした。それ以降、来店客が前年比で2桁伸びているという。

 しかし、高価格帯の投入には、「円安による材料費高騰分を価格に転嫁できなければ、利益を生み出せない」(関係者)という切羽詰まった事情もあった。吉野家の平成25年3~5月期連結決算は、本業のもうけを示す営業損益が7億円の赤字(前年同期は3億円の黒字)に転落した。円安で米国産牛肉などの価格が上昇したことが、採算を悪化させた。

円安で価格は高止まりし、店頭での100円値下げと相まって…

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