外食業界関係者は、超高級バーガーの投入について、「数量限定にすることで、『客単価のさらなる改善を狙った』とのイメージを避けようとした」と分析する。
原田泳幸会長兼社長は、クオーターパウンダージュエリーの発表会で「客単価アップの戦略ではない」とクギを刺したが、消費者心理に強烈なイメージを残したという点では、1000円バーガーは成功したようだ。
値下げで赤字に
高価格商品の充実は牛丼業界でも同じだ。吉野家は新商品「牛カルビ丼」(並盛480円)を4日から全国で発売した。吉野家としては初めて、量を減らして価格を下げる「小盛」(380円)も本格展開した。
同社は4月、「牛丼並盛」を380円から280円に100円値下げした。それ以降、来店客が前年比で2桁伸びているという。
しかし、高価格帯の投入には、「円安による材料費高騰分を価格に転嫁できなければ、利益を生み出せない」(関係者)という切羽詰まった事情もあった。吉野家の平成25年3~5月期連結決算は、本業のもうけを示す営業損益が7億円の赤字(前年同期は3億円の黒字)に転落した。円安で米国産牛肉などの価格が上昇したことが、採算を悪化させた。