さらに、独自の生産拠点を持たずに、設計や製造を外注することでコストを抑えるアップルなどの「水平分業式」の企業が世界で存在感を高めた。同時にアップルから生産を委託される鴻海のような電子機器受託製造サービス(EMS)が成長し、シャープの優位性は失われた。
こうした世界的な潮流のなか、独自の技術が徐々に流出していく一方、最先端を走っていた技術もやがてはライバル企業から追いつかれ、シャープの自前主義は埋没していった。
ある専門家は「独自、自前を徹底したオンリーワン経営にこだわるあまり、いつの間にかロンリーワン経営になっていた」と分析する。
「まねされる商品を」
高橋興三社長は液晶事業への巨額投資の結果、経営危機を招いた過去のシャープと決別を宣言した。ただ新生シャープも中核事業に液晶を位置づけることに変わりはなく、「液晶ビジネス自体が赤字というより巨額投資が巨額赤字につながった。もう全部自前で投資する必要はない」と強調する。