このままでは顧客にそれぞれの製品をアピールできない。違いが分かりにくいということは、買い間違いにつながる恐れもある…。
そんな反省に立って、ファンケルは同月下旬以降、ただちに対策に乗り出した。製品を並べた陳列棚は、保湿や美白といったラインごとに異なる色の什器(じゅうき)を導入。箱上部に記載する製品名は日本語にした。今年9月以降は箱にも色をつけて各ラインを見分けやすくする。
問題視された白で統一した箱は、昨年3月の刷新の一環として採用された。それ以前は製品別に色分けしてあり、名前を正確に覚えていなくても、箱や容器の色で目当ての品が見つけやすかった。しかし、刷新でスキンケアの製品ラインを4種類から6種類に拡充したのを機に、白やシルバーを基調としたデザインに切り替えた。上質感を出し、ブランドイメージを向上させるためだ。
もともと、同社が主力ブランドの刷新に踏み切った背景には、自然派をうたう競合品の増加や相次ぐ異業種の市場参入で、長年の売り物だった「無添加」の優位性が揺らいでいたことがある。少子化に伴う人口減で顧客の争奪戦が一層激しくなる中、売り上げの約半分を占める化粧品事業は苦戦している。