化粧品刷新も苦戦
「敏感肌にも安心して使える」というイメージが定着し、特に洗顔後に使う化粧水などの基礎化粧品でリピーターを獲得してきた半面、敏感肌以外の人には選ばれにくい。刷新は、そんなジレンマを克服し、新たなユーザーを取り込むための切り札になるはずだった。広告宣伝にも化粧品事業で初めて芸能人を起用、販促費と併せて計約20億円を費やすなど大々的にPRした。
だが、結果は「少なくとも大成功ではなかった」(島田和幸常務)。化粧水や美容液など洗顔後に使う製品の売上高を2割増やす計画だったが、2012年度上期の売上高はブランド全体で前年同期比2.5%増にとどまった。
伸び悩みの要因について、島田常務は広告宣伝がイメージ訴求に偏り、「旧製品との違いや新製品の価値が消費者に十分に伝わらなかったため」と分析する。
池森氏「創業者にしかできない改革断行」
また、新しい製品ラインへのスムーズな移行と顧客データの蓄積のため、直営店の従業員に短期間の詰め込み教育を施し、積極的に来店客へのカウンセリングをするよう促したことで、カウンセリングを望んでいない顧客を無理に引き留めてしまったり、指導についていけず離職したりする従業員も出てきた。