「自己満足の芸術品。お客さまの視点が欠けている」。1月に執行役員として約8年ぶりに経営に復帰した池森氏は一連の刷新をこう評する。
ファンケルの連結売上高は2007年3月期にピークの1010億円に達し、その後は800億~900億円台で推移してきた。13年3月期は尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる問題で日中関係が悪化したことによる中国での不買運動などの影響もあって、最終損益が21億円の赤字と、創業以来初の赤字決算に陥った。立て直しは待ったなしだ。
「3年で立て直して(身を)引きたい。創業者の私にしかできない改革で根本から作り直す」。今年76歳を迎えた池森氏の新たな挑戦が始まった。