一方、日本郵政の西室泰三社長は今回の提携を機に経営再建を加速する。半年前倒しした株式上場時期の15年春までの最重要課題に「郵便局ネットワークと金融子会社の有機的連携」を掲げた。その第一歩ががん保険で、今後、他の金融商品販売に広げる可能性もある。
ゆうちょ銀行、かんぽ生命とも金融庁の規制によって自由に事業展開ができないが、郵便事業会社は新規事業の足かせはほとんどない。規制のない郵便事業会社の2万局という圧倒的な規模の販路を使った収益力向上こそが、西室社長の「成長戦略」の中核となりそうだ。
ただ、グループ23万人の社員を抱える日本郵政グループの最大のアキレス腱(けん)は人材不足。がん保険の販路拡大も、初年度は1000局から1500局に増やすだけ。「役所意識が抜けない社員が多い」(全国郵便局長会)ともいわれる巨大企業の意識改革こそが成長戦略に血を通わせることになりそうだ。