【ビジネスアイコラム】
8月3日は2年ぶりの「土用二の丑」。九州ならではの「う」の付くものを食べようと佐賀県伊万里市に向かった。目当ては「伊万里牛」。JA伊万里が運営する「道の駅 伊万里ふるさと村」でバスを降りた。
マイカーが駐車場を埋め尽くし、今が旬のナシを買い求める家族連れでにぎわっている。売店の人に勧められるまま試食用のナシやブドウをほおばり、昼食は隣接のレストランで伊万里牛ステーキと小ネギがのった丼を注文した。高級ブランド牛と評される伊万里牛は柔らかく、肉のうま味が口いっぱいに広がった。
市内をめぐり夕飯は伊万里駅近くの洋食店に。今度は伊万里牛ハンバーグ。おいしく値段も手ごろで「九州ご当地グルメグランプリ」3年連続1位も納得だ。
安全でおいしい物に国境はない。伊万里牛やナシは香港などに輸出され、富裕層に人気だという。価格は高くても伊万里牛は競争力がある。さぞ畜産農家はもうかっているのでは、と思いきや、JA伊万里の岩永康則代表理事組合長は「肉質のいい牛を育てるには手間ひまとコストがかかる。輸出には手数料などの経費もかさむから農家の利益はそれほど伸びない」と話す。