同方式は時分割多重処理によって同じ周波数幅のなかでデータの送受信ができる技術。当初は技術的な問題点も多かったが改良も進み、少ない周波数を効率的に使用できることからソフトバンクグループが「AXGP」の名称で導入しているほか、米クリアワイヤなど年内に20社以上が導入する見通しだ。日米でTD-LTEサービスの展開をもくろむソフトバンクにとっては、次期アイフォーンの同方式への対応は強烈な追い風となる。ソフトバンクの松本徹三特別顧問は中国で6月、「(現在142万人の加入数が)年内には跳ね上がる」と次期アイフォーンのTD-LTE対応を示唆する発言を行っている。
ただ、KDDI系のUQコミュニケーションズとともに取得を申請していた2.5ギガヘルツ周波数の新規割り当てでは敗退。来年3月には毎秒220メガビットのTD-LTE互換サービスを提供するUQに速度面での見劣りは否めない。
携帯電話の標準化を協議する世界的な携帯電話事業者の会議(3GPP)は、通信速度が毎秒1ギガビット以上の超高速データ通信を目指す第4世代(4G)の規格について、現在欧米で主流の「FDD-LTE」とTD-LTEのどちらを採用するか未定。アップルが次期アイフォーンで採用する米クアルコム製半導体は両方式に対応しているもようで、LTEをめぐる新たな勢力争いに発展する可能性も出てきた。(芳賀由明)