アメリカで眼鏡を買うといえば、処方箋を持って眼鏡屋に赴き、ブランドのついたアイウェアを最低でも300ドル出して購入することだ。ワービー・パーカーは、ルックスオティカと同じ製造設備を使って、同じレベルの高品質な眼鏡を生み出しているのに、それを100ドルで販売している。社内で独自にデザインを手がけ、流通にかかわる仲介業者を排除して直接販売することでなし得た、大変画期的なクオリティーと価格である。
このビジネスを日本のJINSやZoffと比較すると、ワービー・パーカーのそれは単に安さを売りにしたEコマースではなく、ブランドとしての価値を押し出す戦法だ。
低価格の眼鏡を量販するのではなく、適正な価格で高級ブティックに並ぶ世界的なブランド力を持ったアイウェアを提供しようと試みている。いうなればザラの眼鏡版だろうか。
創業第1日からワービー・パーカーの事業の要は、ブランドをいかに管理するかということだった。インターネット関連のスタートアップとしては珍しく、彼らはテック系企業に特化したメディアへの露出をできるだけ避け、その代わりにヴォーグやGQといったハイセンスなファッション誌に掲載されることに重きを置いた。最近になってニューヨーク、ボストン、ロサンゼルスに路面店を構え、眼鏡を手にとって試せる形を採り入れたものの、同社は主にオンライン販売に力を注ぐネットショップだ。全国数カ所のブティックにショップ・イン・ショップを構える以外、消費者への直接販売にこだわって、デパートなどに商品を卸していない。