KDDIでは、4~5月に連続して発生したLTE関連の通信障害によるMNP流出も懸念されていた。そんななか、田中孝司社長は2日の定例会見で、「障害対処のフェーズはほぼ完了した。設備は今後も増強していく。新幹線、地下鉄での移動中や、大勢の人が集まる花火大会での通信環境の改善に努めるなど、ユーザーの信頼回復のために地道な対策を重ねた」とアピール。「LTEネットワークをさらに強化するフェーズに入る」と、「つながる力」をキーワードに挙げた。
KDDIは、帯域の中でもつながりやすいとされ、“プラチナバンド”と呼ばれる800MHz帯のエリア拡大を図っていく方針だ。8月末時点の実人口カバー率は97%、2014年3月末には99%になる見込みで、次期iPhoneが800MHz帯のLTEに対応すれば、「LTEのエリア競争に終止符を打てるのでは」(田中社長)と自信をのぞかせている。
ドコモが今秋から次期iPhoneを発売するとの一部報道もあり、iPhoneの扱いで先行するソフトバンクとKDDIを軸とした顧客獲得争いが、一層激しさを増しそうだ。