カネボウ化粧品は11日、美白化粧品により肌がまだらに白くなる白斑(はくはん)症状の被害が出た問題で、外部の弁護士による第三者調査報告を受けて、夏坂真澄社長と宮内一会長を含む計10人の月額報酬を一部返上すると発表した。ただ、夏坂社長は引責辞任の可能性を改めて否定した。
夏坂社長と宮内会長は月額報酬の50%、幹部役員では研究・技術担当の取締役執行役員の40%を筆頭に10~40%を、いずれも6カ月間返上する。
同日公表された第三者調査報告によると、同社が発売した美白化粧品に含まれる成分「ロドデノール」と白斑症状の因果関係について、今年5月に岡山県内の大学病院から指摘を受けて「確定的に」認識。
だが、その後の対応について準備や検討が必要なことを差し引いても、7月4日の公表まで「約2カ月を要したのは遅きに過ぎた」と指摘した。また、今回のような異常が発生したときに「どこに情報を集中すべきか定まっていない」と組織体制の不備にも言及した。