【底流】三菱重「3兆円の壁」 社運かけたMRJ、飛躍のカギ握る (2/4ページ)

2013.9.13 06:00

  • 三菱航空機の川井昭陽社長(左から2人目)ら幹部。手前は開発中の小型ジェット旅客機MRJの模型=8月22日午後、東京都港区の三菱重工業品川本社ビル(小野淳一撮影)

 競合するGEの売上高は14兆円超、独シーメンスは10兆円。新興国を中心に発電など三菱重工が得意とする社会インフラ事業のニーズが高まる中、このままでは欧米勢との競争で埋没し、成長機会を失いかねないとの危機感がある。

 売上高が伸び悩んでいた原因は、事業本部・事業所制の下で、会社全体のシナジーが発揮しにくくなっていたためだ。各事業本部が個々の利益を追求して“縦割り”が生じ、人材や経営資源が分散していた。

 同じ取引企業でも事業所によって違う口座を使い、ばらばらに発注していたことから、調達先の口座が社員数(約3万人)より多かったというエピソードもある。コスト意識の低さは熾烈(しれつ)な国際競争では命取りになる。

 自前主義からの脱却

 10月から実施する組織改革では、船舶・海洋や原動機、原子力、航空宇宙など8つある事業本部を「エネルギー・環境」「交通・輸送」など4つのドメイン(領域)に再編。技術や供給サイドではなく、市場や顧客の目線に立って事業展開し、調達や人員配置などでの連携も加速する狙いがある。

大・中・小のラインアップをそろえた。展開地域の補完効果も見込まれる

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