青島もこの5年間で大台に乗せた都市の一つ。山東省への日本からの直接投資は今年に入り、流通などサービス業が製造業を超えた。デモ後の1年、中国が「世界の工場」から「世界の市場」に変わる時期に重なった。
ただ、日中関係筋は「反日デモで破壊された日本企業への補償はおろか、暴徒への処罰、責任追及はほとんど進んでいない」と顔を曇らせる。
放火された電子部品大手、ミツミ電機の青島工場はいまも外壁が黒こげのまま。関係者は「ミツミ電機やパナソニック、イオンもトヨタなど被害を受けた企業は表面上、業務再開していたとしても、修復費や人件費など多額の負債は抱えたまま」と話す。
さらに、「自らが関わった販売店が根こそぎ破壊された反日デモは、自分の娘が暴徒に襲われたような衝撃だ」と本音を漏らす関係者も少なくない。
青島の日本総領事館などでは地元当局に対処を申し入れているが、いまだ反応はない。責任追及や補償問題もあいまいなまま、日本企業は暴徒襲撃の傷を隠しながら中国ビジネスに熱を上げる。(河崎真澄)