マンションの建て替え戸数【拡大】
地権者分を除き約500戸を分譲する。3.3平方メートル当たりの平均単価は330万円と、周辺相場に比べて高めに設定したが、問い合わせは殺到している。
全国約600万戸の分譲マンションのうち、1981年施行の新耐震基準以前に建築されたマンションは100万戸を超える。建て替えた案件は約200件にとどまるが、潜在需要は大きい。
野村不動産は昨年4月、建て替えの専門部署を設立。「マンションの再生は社会的課題。避けて通れない」(森重克人・マンション建替推進部長)として事業拡大に意欲を燃やす。2014年に完成予定の「プラウドタワー白金台」(東京都港区)のように、隣のマンションと共同で建て替える案件にも取り組む。今後は、年間200戸を常に供給していく計画だ。
旭化成不動産レジデンスはこれまで、東洋一のアパートといわれた「同潤会江戸川アパートメント」(東京都新宿区)をはじめ、17件の建て替えに事業協力者として参画してきた。戸建て住宅「ヘーベルハウス」の営業経験者だけでスタッフを固めた。マンション建替え研究所の向田慎二所長は「2世帯住宅など、売るのが難しい商品を担当していたスタッフの個人的なスキルは極めて高い。それが武器となっている」と分析する。