マンションの建て替え戸数【拡大】
また、早い段階から区分所有者と個別面談を行うなど、マンション管理組合との緊密な関係づくりも得意とし、女性担当者を前面に打ち出した営業も持ち味。今後も年間4件のペースで進めていく計画だ。
総合力が評価
長谷工コーポレーションはこれまで、26物件の建て替え事業に参画している。このうち、14年2月の完成予定で事業計画を進めている「ブランシエラ市川行徳」(千葉県市川市)は、木造2階建てのタウンハウスを8階建てのマンションに再生するプロジェクト。3社が受注を争ったが、開発から設計施工、販売を一貫して手がけ、設計の提案力や防災、環境関連サービスの提供など長谷工グループの総合力が評価された。
同社の村上誠・建替・リフォーム相談1部・2部統括部長は「東京と大阪で、コンスタントに年1件ベースで完成させ、引き渡すこと」を目標に掲げている。
居住者の合意形成が課題
しかし、建て替えには時間がかかる。旭化成が自社の17物件を対象に行った調査によると、建て替えが検討されて決定に至るまでに要した期間は、平均で8.35年。建て替えには居住者の5分の4以上の賛成が必要だが、思うように合意形成が進まない現実が反映されている。工事中の仮住まいと新居への引っ越し費用が大きな負担になっていることなどが要因だ。