炭素繊維は鉄に比べ、軽くて丈夫な素材として知られる。車体軽量化で、エコロジー化が求められる今後の自動車向けには欠かせない素材だ。ただ、その価格は鉄の数倍から十数倍で、一部のスポーツカーを除き、一般車などへの普及が進んでいない大きな要因となっている。
国内の炭素繊維メーカー各社は自動車メーカーとともに炭素繊維活用の模索を続け、海外メーカーとの連携のほか、水面下では国内メーカーとの共同開発も進める。東レは2011年にダイムラーと炭素繊維を使った自動車部品の製造・販売合弁会社を設立するなどしている。
東レは廉価版の炭素繊維および生産技術を手に入れたことで、市場の大きい自動車市場開拓の大きな武器を持つことになる。
買収をテコに帝人や三菱レイヨンなど国内のライバルのほか、台頭する中国・韓国メーカーを引き離し、世界トップの座を不動にする考えだ。