日本米の輸出量【拡大】
これに対してクボタのプロジェクトでは、舌が肥えた現地の消費者に満足してもらうことを狙った。具体的には、コメの鮮度を保つため玄米の状態で輸出。香港にあるクボタの冷蔵倉庫で保管し、注文を受けてから精米、販売するという手法を取り入れたのだ。
工夫はこれだけにとどまらない。コメのおいしさは品質だけでなく、炊き方に依存する部分も大きい。ただ、現実的には「手作業の部分を伝授するのは難しかった」と、同社の高橋元戦略企画部担当部長は語る。
そこで、クボタがコメを購入してくれたユーザーに提案しているのが、業務用の全自動洗米炊飯器「ライスロボ」だ。この結果、トラクターなどの土作りから、炊飯に至るまで、輸出米について一貫してクボタの製品が各工程で携わるビジネスモデルができあがった。「少々高値だが、おいしくて安心」-。現地の消費者の間で、評判は上々だ。